龍と魔法使い [小説紹介]
最近またもや、図書館で借りてしまいました。
私もお気に入りの作家、榎木洋子さんの作品です。
風龍が守護する魔法大国フウキには、他国に誇れる最高の魔法使いが七人います。
彼らはフウキの七賢人と畏怖と尊敬をもって呼ばれます。
頭脳、魔法の腕はもちろん、教養でもトップレベルのはずなんですが・・・。
七賢人の一人、タギはなんと若干十九歳、粗暴でやかましい不良魔法使いです。
その腕は七賢人でも上から三番目というかなりのもの、ただし性格に難あり。
以前自分の悪口を言った魔法使いを、丸一日ブタに変えたことがあるほどです。
そんなタギがある日、国を揺るがす重大な問題にぶちあたります。
なんとフウキを守護する風龍が、王にも告げずにいなくなってしまったのです。
昨日の真夜中、西へ向かう大きな影を目にしたタギは、一路西へと向かいます。
その途中、龍の鱗を探すネリアと出会います。
ネリアの父は王室御用達の医者で、現在公爵の娘の病気を治しています。
しかしその病気が生半可なものではなく、失敗すればあわや首か、という事情です。
そこで万能の薬だという龍の鱗をとりにきた、というわけです。
同情したタギは龍の目を盗んでなんとか鱗を奪い、ひとり怒れる龍に立ち向かいます。
そして龍の逆鱗に触れ、魔法で殺されかけてしまいます。
目が覚めると、目の前に風龍がいました。なんと、彼がフウキの守龍でした。
奥方が卵を産むということで、いてもたってもいられず飛んできたとのことです。
安心したタギを背中に乗せて、風龍はフウキへと戻ります。
この一件で龍の信頼を得たタギは、守龍の名前を教えてもらいます。
そしてその娘、シェイラギーニの名付け親となります。
あー、なんかうまく説明できてない気がすっごくするんですが・・・(汗)。
この『龍と魔法使い』は榎木さんのデビュー作、『リダーロイス』の世界のお話です。
偉大な種族、龍が気に入った王様の国の守護をしてあげるというものです。
また魔法使いも多くいます。
彼らは世界に満ちる様々な精霊たちの力を借りて魔法を使います。
龍が守護する国とそうでない国の格差はすさまじく、
守龍がいる国は作物に恵まれ、魔法使いも多くでます。
それに比べて守龍がいない国には内乱が絶えず、国力も下がります。
これほど極端に差がでるほど、龍の力とは絶大なのですね・・・。
榎木さんの書く小説には、少女小説でありながら男子でも読める作品が多いです。
少女小説家というよりは、現代風ファンタジー作家と言ってもいいでしょうね。
ちなみに現代風とつけたのは、トールキンなどの大御所とは一線を画すからです。
彼らとは流石に比べられませんね。
しかし、決して物語の造りは甘くありません。むしろ上に位置するのではないでしょうか。
シリーズを通して世界観はしっかりと固定してるし、複線もふんだんです。
最近(でもありませんが)有名になった『マ王!』とかだと適当に複線入れておいて、
後でネタに困ったら掘り出して使ってるフシはありますが、榎木さんは別。
効果的に、考えてネタを入れてますね。非常に読み応えがある。
各シリーズで交差しているので、全巻読みたくなってしまいます。
比較的最近の作家さんなので、BookOffなどで割合楽に手に入ると思います。
ぜひ、購入なさってはいかがでしょうか。
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