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龍と魔法使い [小説紹介]

 最近またもや、図書館で借りてしまいました。
 私もお気に入りの作家、榎木洋子さんの作品です。
 
 
 

龍と魔法使い (1)

龍と魔法使い (1)

  • 作者: 榎木 洋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1993/09
  • メディア: 文庫

 風龍が守護する魔法大国フウキには、他国に誇れる最高の魔法使いが七人います。
 彼らはフウキの七賢人と畏怖と尊敬をもって呼ばれます。
 頭脳、魔法の腕はもちろん、教養でもトップレベルのはずなんですが・・・。
 七賢人の一人、タギはなんと若干十九歳、粗暴でやかましい不良魔法使いです。
 その腕は七賢人でも上から三番目というかなりのもの、ただし性格に難あり。
 以前自分の悪口を言った魔法使いを、丸一日ブタに変えたことがあるほどです。

 そんなタギがある日、国を揺るがす重大な問題にぶちあたります。
 なんとフウキを守護する風龍が、王にも告げずにいなくなってしまったのです。
 昨日の真夜中、西へ向かう大きな影を目にしたタギは、一路西へと向かいます。
 その途中、龍の鱗を探すネリアと出会います。
 ネリアの父は王室御用達の医者で、現在公爵の娘の病気を治しています。
 しかしその病気が生半可なものではなく、失敗すればあわや首か、という事情です。
 そこで万能の薬だという龍の鱗をとりにきた、というわけです。
 同情したタギは龍の目を盗んでなんとか鱗を奪い、ひとり怒れる龍に立ち向かいます。
 そして龍の逆鱗に触れ、魔法で殺されかけてしまいます。
 目が覚めると、目の前に風龍がいました。なんと、彼がフウキの守龍でした。
 奥方が卵を産むということで、いてもたってもいられず飛んできたとのことです。
 安心したタギを背中に乗せて、風龍はフウキへと戻ります。
 この一件で龍の信頼を得たタギは、守龍の名前を教えてもらいます。
 そしてその娘、シェイラギーニの名付け親となります。

 
 あー、なんかうまく説明できてない気がすっごくするんですが・・・(汗)。
 この『龍と魔法使い』は榎木さんのデビュー作、『リダーロイス』の世界のお話です。
 偉大な種族、龍が気に入った王様の国の守護をしてあげるというものです。
 また魔法使いも多くいます。
 彼らは世界に満ちる様々な精霊たちの力を借りて魔法を使います。
 龍が守護する国とそうでない国の格差はすさまじく、
 守龍がいる国は作物に恵まれ、魔法使いも多くでます。
 それに比べて守龍がいない国には内乱が絶えず、国力も下がります。
 これほど極端に差がでるほど、龍の力とは絶大なのですね・・・。

 榎木さんの書く小説には、少女小説でありながら男子でも読める作品が多いです。
 少女小説家というよりは、現代風ファンタジー作家と言ってもいいでしょうね。
 ちなみに現代風とつけたのは、トールキンなどの大御所とは一線を画すからです。
 彼らとは流石に比べられませんね。
 しかし、決して物語の造りは甘くありません。むしろ上に位置するのではないでしょうか。
 シリーズを通して世界観はしっかりと固定してるし、複線もふんだんです。
 最近(でもありませんが)有名になった『マ王!』とかだと適当に複線入れておいて、
 後でネタに困ったら掘り出して使ってるフシはありますが、榎木さんは別。
 効果的に、考えてネタを入れてますね。非常に読み応えがある。
 各シリーズで交差しているので、全巻読みたくなってしまいます。
 
 
 
 比較的最近の作家さんなので、BookOffなどで割合楽に手に入ると思います。
 ぜひ、購入なさってはいかがでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
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