今日からマのつく自由業! [小説紹介]
幾度も、幾度も当ブログのテーマにしながら、
気がつけば、コレを一度も専門でとりあげていませんでした。
これはいかん!私の彼らへの愛が過小評価されてしまうのではないか!
そういうわけで英断しました、やります(笑)。
当研究室の三大看板のひとつ、「今日からマ王!」です。
ちなみに残りのふたつは「彩雲国物語」と「デュープリズム」です(笑)。
ごく普通の野球少年、渋谷有利、
運動神経は並みの上、頭の方は並みの下、性格は花丸付きの正義感、
そんな彼はある日、中学時代の同級生が不良に絡まれているのを発見します。
止めに入ったら同級生はすたこらと逃げだし、気づけば彼一人。
不良達に頭をつかまれ、公衆便所につっこまれたら・・・。
底があるはずなのに吸い込まれ、夢のスターツアーズへと出発です。
目覚めるとそこは某ヨーロッパをモチーフにしたテーマパーク風の景色。
わけのわからない言葉をしゃべる人たちに石を投げられ、ののしられます。
そこへ登場した謎のアメフトマッチョに頭をわしづかみにされ、衝撃がおとずれると、
言葉がわかるようになりました。
なにやら事態を把握できないまま彼についていこうとすると、またもや別勢力が現れます。
ウェラー卿コンラートとなのる彼は有利を助け出し、連れて帰ります。
そこにいたのはウェラー卿とすみれ色の髪をもつ超絶美形フォンクライスト卿、
彼ら曰く、ユーリはなんと「マ王」なのだそうです。第二十四代眞魔国国主、すなわち魔王です。
『おめでとうございます、今日からあなたは魔王です!』
そしてユーリの摩訶不思議な異世界での生活は始まるのでした。
私は、かなり古い小説しか読みません。
というか最近の小説事情についていけないというのが事実です。
しかしコレを読んだとき、「まだまだヤルもんだ」とすら思いましたね。
実際問題として、文章はさほど熟練されていないし、構成も未熟です。
後で使おうと思って、適当に伏線ばらまきまくってるのバレバレなストーリーです。
それでもなお、この小説、この世界には私を惹き付けてやまないものがあります。
断言しましょう、確かに小説としてはB級もいいところだと。
だが言いましょう、それでも私はこの本が大好きだと!
世界観はほとんどにおいてドイツを踏襲しています。
ファンタジーは往々にしてドイツをモチーフにされることが多いのです。
例えば山口美由紀さんの「タッジー・マッジー」もそうですし、
紫堂恭子さんの作品もそのようなフシがあります。(指輪物語っぽいですが)
登場人物たちの名前のほとんどはドイツ語、もしくはギャグ。
例えば「ユーリ」「コンラート」「アーダルベルト」など、メジャーですね。
そして基本的に剣と魔法の世界です、当然ですが(笑)。
この小説の面白い点、それはまずキャラが立っていること。
キャラクターの個性が非常にはっきりしていて、それぞれ勝手に動き出しそうです。
かなりの数の登場人物が衝突することなく、それぞれの個性を発揮しています。
さらに地球世界の常識を無視しながらも、どこか似通っている世界の様子。
例えば動物、猫は「めえめえ」鳴きますし、「にゃー」はゾモサゴリ竜という凶獣の鳴き声です。
さらに人を食べる「ドクミミモモウサギ」などという生物も登場しますし、
「ノギス」と鳴くクマハチという愛玩系動物もいます。
私としてはやはり「エンギワルー」と鳴く眞魔国の保護動物、エンギワル鳥が棄てがたいです。
また愉快な風習ももりだくさんです。
あいさつをするときは鬘を外すカヴァルケード、ヒモパン着用の魔族の貴族など、
左手で右頬を叩くのは求婚を申し込んだことになるのは、もうご存じですよね?
食器を床に落とすのは決闘を申し込んだことになるそうです。いかにもありそうですね。
先に述べた通り、小説としては二流になるでしょう。
下調べも不十分だし、文章構成も未熟、ギャグも洗練されているとは言い難いです。
しかし我々のツボをつく、おもわず考えさせられる、
そして何より、私は彼らを大好きになってしまったのです。
軽快な語り口と意味深なセリフの数々、
ごく普通の平和を愛する高校生から見た異世界の冷酷な事情。
剣と魔法の世界を生き抜くには、口先のきれい事では通用しません。
しかし、普通の日本人の高校生のユーリはそれらを決して、肯定できないのです。
自分が治める世界の内情、外情、それはひいては戦争など現代の問題につながります。
同じ高校生の彼が決して信念を曲げず、物事に接していく姿、
そしてそれを支える臣下達の熱意に、嫌でも飲み込まれざるをえません。
ちなみに、現在新刊がまったく出る様子がありません。
そしておそらくもう出ないでしょう(ため息)。
まったくもって、作者に文句を言いたい気分ですが・・・(笑)。
それでも私は彼らが大好きなのです、これからも、ずっとそうでしょう。
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やっと登場してくれましたね。
私もまるマは一生涯忘れないと思います。
印象的な構成と世界観、テンポ。
賞を取るとか、作家の手本といった大それたものではないけれど、
魅力は十分にありますよねー♪
しかし・・・ここまでキャラクターが壊れまくっている小説も珍しいですよねー。
by 愛輝 (2007-07-31 22:47)
nice&コメントありがとうございます!!
バトンはどうぞもらっちゃってくださぃ♪♪
ぁと、私もまるマ大好きですw ほんと、新刊が出る気配が全くなくてショックです…。それでも、やっぱり嫌いにはなれないんですケド(笑)
今度、モルギフ様とゆっくり語ってみたいです☆★
by ym-eagle (2007-07-31 23:15)
マ王は少しアニメで見ていましたね。
OPとEDの曲がどちらも良かったのが印象的です。
by (2007-08-01 02:00)
まげりんはアニシナさんの様に生きたいといつも思っております。
by まげりん (2007-08-01 17:05)
>愛輝さん
満を持しての登場です、やっぱりコレやらないと、ね(笑)。
そうですね、「魅力」がある小説なんですよね、まるマは。
う~ん、キャラクターですか、確かに壊れてる。
ただARIELも相当壊れてたので、どっこいどっこい、かな。
>ym-eagleさん
新刊、出る気配がありませんよね。
番外編とか雑誌で書いてるのが問題なのだとは思いますが。
どうやら同人誌上がりの作家さんなので、
そこら辺プロ意識に欠けるようです。
ええ、機会があればぜひ、語りましょう。バトン、ありがたく頂戴します。
>三天寺さん
確かにOPとEDの曲、良いですよね!
アレを歌ってるグループは、インディーズで相当過激な歌を作ってるので、
ああいう歌も歌えるんだと、意外でした。
>まげりん
毒女候補生・・・?
私はグウェンの様に行きたい、やさしさ百%。
by モルギフ (2007-08-02 00:05)
はじめまして。今日からマのつく自由業!のことをいろいろ検索してたどり着きました。
新刊が出ないことを嘆いておられましたけど、来る12月1日最新刊砂はマのつく途の先!発売とのことですよ。
by Grani (2007-11-01 23:29)
>Graniさん
こちらこそはじめまして。
新刊についてですが、先日私の処にも白鳩便が届きました。
よくここまで待たせてくれたというか(笑)。
来月が楽しみでなりませんね。
by モルギフ (2007-11-02 22:33)