庭先案内 1 [須藤真澄]
親父殿と母上様がそろってディナーに出かけたある日、
私は家でおとなしくAZITO2の攻略をしておりました。
帰ってきた母上様は、手に三冊の須藤真澄を抱えておりました。
なんでも出かけた先のBookOffで見つけたとのことです。
かなり新しい『庭先案内』から、最初の作品の『電気ブラン』までありました。
これは紹介せねばなるまい!というわけで早速。(ネタバレ注意)
どんぐりくん [須藤真澄]
須藤真澄さんと来たら、『じーばー、海、犬猫』とすぐに言えます。
それくらい須藤さんのマンガには、これらが登場するんですよ。
とくに犬猫に関しては故・愛猫ゆずくん達を主人公とした童話風味の作品が最高!
今日ご紹介するのはその内の一つです。
どんぐり学園1-ど組には『ゆず、のり、みそ、にら、こめ』のよいこ五人組がいます。
みんなは担任のくぬぎ先生がだいすき。
ちょっとしゃべるの遅いけど、お勉強もちょっと苦手だけど、
それでも毎日とっても元気!
そんな彼らの日常を描いた作品です。
・・・こんな紹介しづらい作品初めてだ・・・。
何しろ短編な上にギャグ漫画。ギャグ漫画って紹介文書くの難しいんですよね。
自分の文章力が稚拙というのもありますが、一貫したあらすじがないから・・・。
この『どんぐりくん』、全体的にほのぼのとしています。
○ンデーとか○ャンプとかのギャグマンガとは明かに一線を画しておりますね。
昨今のギャグマンガがテンション重視なのに対し、どんぐりくんはあくまでゆっくり。
若い人には、えてしてつまらないとか思われがちな作風ですね。
しかし私、こういうゆっくり、ほのぼのしたギャグを書く須藤さんが大好きです!
最近のギャグマンガも良いけれど、なんとなく疲れたときとかに読みたくなります。
やっぱり自分は若者じゃないなぁ、と。(笑
解析した精神年齢、70歳でした。
えみにも言いましたが、ここまで差があると逆に怒る気も失せる。
というか『へぇ~そうなんだ』とむしろある種の感動すら生まれますね。
精神年齢って、若いよりも年喰ってる方が良いんじゃないですかね?
『どんぐりくん』の登場人物、もとい登場猫物達ですね。みんな猫だし。
彼らは他の漫画に比べてさして多くありませんが、総じてみんな個性的です。
怒ると怖いくぬぎ先生、そのくぬぎ先生をフォローする同僚の女の先生、
やや肥満の校長先生、よろよろのおじいさんの町内会長、
ここで登場人物が少ないと言ったのは、これが先生とどんぐりくんたちのお話だから。
基本的に彼ら6匹が中心というか、彼らだけで話が進みます。
誰か1匹だけとか、そういう『抜け駆け』は一切ありません。そこもまた、良いですよね。
いっつも仲良し6猫組のこれからの活躍に、期待大です!
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アクアリウム [須藤真澄]
山口美由紀さんに引き続いて、須藤真澄さんの漫画を物置から掘り出してきました。
いやあ、あるもんですね。出るわ出るわ、十冊以上の本が発掘されました。
今日はその中の一つ、『アクアリウム』についてご紹介したいと思います。
『アクアリウム』は魚好きの女の子、杢子ちゃんのお話です。
幼児期から大人まで、杢子の生涯についてお話は展開します。
およそこの世の生き物は、『水の世界』からこの世へと旅だっていくのです。
人間は幼児期にその目が『固まる』まではこちらの世界と水の世界両方を見れます。
そして魚たちの暮らす水の世界には杢子の大好きな『おじいちゃん』がいます。
『おじいちゃん』は水の世界の長老的存在、『御大』と呼ばれていましたね。
水の世界の人をこちらの世界に送り出す役割です。まあ誰でもできるようですが。
そして仲良しの杢子は人間の中でも珍しく、魚たちの声を聞くことができるのです。
更に叔母のしずかと一緒に居る時は魚たちの水の世界での姿も見ることができ、
しずかの書いた絵に触れると、おじいちゃんとお話することもできます。
話が生涯にわたっていて、めっちゃくっちゃ長いので、
私の稚拙な文章力では上手く表現することができません(泣。
なんというか、不思議な作品ですよね。
須藤さんの魅力全開というカンジでしょうか。
まず杢子の存在というのが不思議ですね。
彼女は水の世界とこちら側とをつなぐ存在・・・とは言い過ぎでしょうか?
杢子はおじいちゃんやまわりの人たちとふれあい、いろんなモノを確かめていきます。
その中で、水の世界からこちら側に生まれてくる意味が分かってくるのです。
それはこちら側では杢子とその周辺の人たちの中でのお話にすぎませんが、
水の世界ではとても大きな問題だと思うのです。
多分杢子達が考えている以上に、彼女たちは重要な存在なのでしょうね。
結局水の世界とは何か?そういう根本的な疑問が生まれてきますが、
多分須藤さんも分かってないんじゃないかなー。
おそらく答えを出すことはできないでしょう、いつか死んでそこに帰るまでは。
ただ、私が考えたのは、『戻る場所』ということ。
すごいどうでもいいとか思った人もいるでしょうが、これは重要だと思います。
人が死んで、その魂(あるいは精神でもかまいませんが)がどこに行くのか。
それは多分ほとんどの人が一度は考えてたことのある議題でしょう。
かくいう私も何度も布団の中で考え、恐怖しました。
死ぬとどうなるのか、天国や地獄に行くものでしょうか。
それとも『DeathNote』の様にただ無くなるのでしょうか。
ただなくなる、そうだとしたらそれはとても怖いことでしょうね。
自分という存在が完全になくなってしまうという恐怖は何者にも勝ります。
ある日寝て、永遠に目が覚めなかったら?そう考えたことはありませんか?
とても怖い。それを考えて眠れなくなったこともあります。
この場合、死んだ後帰る場所があるということは大きな救いです。
おそらく水の世界では今までこちら側で生きてきた記憶は残るのでしょう。
だから多分『主』は水の世界なのです。
こちら側で感じたこと、考えたことを水の世界に持ち帰る。
そうして生を繰り返して、いろんなものを手に入れていく。
ただ、困ったことに『だから?』と聞かれたら何も答えられませんよ。
だって水の世界でどういう暮らしをしているのかとかまったく予想がつかない。
多分、で良いんですよ、だから。
ちなみにこの『アクアリウム』、なんと映画化されております。
かなり昔の話になるんですがね。
残念なことにDVDやビデオは発売されていないようです。
どこぞで見る機会があったら、ぜひ見させていただきたいものですね。
あ、ちなみに私、一応クリスチャンなんで、そこんとこよろしくお願いします。
今回いろいろスレスレの発言多いんですけど・・・。(汗
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じーばーそだち [須藤真澄]
今日は須藤真澄さんの『じーばーそだち』を紹介したいと思います。
『じーばーそだち』は須藤さんのお話のなかでもトップ3に入る程好きな作品です。
全体的にほのぼのしていて、癒し系・・・?みたいな感じですかね。
ギャグマンガです、はい。
小学二年生のりるちゃんはじーばーそだち。
まあ要するにおじいちゃんおばあちゃんに育てられた子ってわけです。
もちろんお父さんお母さんは居ます。ただどちらも業界関係のデスクなので多忙。
おじいちゃんの一徹さんは寿司職人、るるおばあちゃんは旅行とテレフォンショッピングが大好き。
お兄ちゃんのかめてつクンもじーばーそだちで、デートのたびに弁当を作ってくれる彼女がいます。
同級生はみんな下町そだち。カルチャーショックの転校生はなかばいじめの状態です。
今時こんな家めずらしいですよね・・・。なんつーかすっごく平和。
東京の下町って現在進行形でこんなんですか?もしそうなら私、引っ越し希望しますが(笑。
好きなんですよ、こういう暖かい家庭。別に私の家がすさんでいるとかではなく。
昔気質のおじいちゃん、はちゃめちゃなおばあちゃん・・・はちょっと規格外かもしれませんが、
のどかでどこか懐かしい下町暮らしには憧れますよね。
特に私みたいな田舎者にとってはなおさらというか。
こんなのどかな生活をしてみたい。そんな気分にさせてくれますね。
まあギャグマンガなので、ぶっちゃけあんまり説明することもないんで。
こんな感じで終わりたいと思います。
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ごきんじょ冒険隊 [須藤真澄]
今日は答案返却日です。二十分に一度の衝撃の日です。
数Ⅱでまず地獄を見ました。やばいです、赤です。
基本問題でペケりました。勉強してませんでした。合成関数とか死んでください。
この数Ⅱが運命の分け目ですね。
これを母上がどうとらえるかで春キャンに行けるかどうかが変わります。
地理も危険ラインを突破しました。
『「ルーマニア」について知っていることを書け』という問題なのに、
「ルワンダ」について熱く語ってしまいました。
先生も困った顔で、『う~ん、問題がそうなら点あげられるのにね・・・』とおっしゃてました。
やばいです、やばいです。
こうなったら、「困ったときは神頼み」しかありません。神様、お願いしますぅぅぅ!!
さてさて、今日は私の好きな漫画家の一人、須藤真澄さんについて紹介させていただきます。
須藤先生はあっちゃこっちゃで活躍されておるのですが、
飼い猫、ゆずの絵とじーばー(じいさんばあさん)の話、そして海の話で有名ですね。
須藤さんの書く絵は、人物の目の表現に非常に特徴があります。
なんともこの場ではお伝えしづらいので、実際に今日紹介する本で見ていただきましょう。
これ、スーファミでゲームも出ています。
いや、実はゲームの方が先なんです。最初に須藤さんがゲームのキャラデザインをしたんです。
というより、一人を除いて実に百人近くの登場人物全員をデザインされております。
それゆえか、とても特徴的な登場人物達で彩られたゲームでもあります。
このゲームをプレイする母上殿の様子を見ていた記憶がございます。
昔は家にあったのですが、今はどこぞへ紛失してしまいました。
またやってみたかったのですが、非常に残念です。
まあ今日は漫画の紹介ですから、この話はあとにおいておきましょう。
主人公、まなは幼稚園生。典型的な内弁慶で、お家の外では大の人見知り。
その性格ゆえにたびたび幼稚園を脱走。母のしずかはこってり先生にしぼられてしまいます。
ある日まなは、童話作家の母が担当に愚痴をもらしている最中、
偶然ドアの外に転がっている謎の回覧板を発見します。
回覧板にはなぜかポストの絵が、まなは勇気を出して家の外へ出ます。
ポストのところまで行ってみるとあら不思議、絵がかわりました。
どうやら書いてある絵の所まで行くと、次の目的地が現れるようです。
そしてその謎の回覧板に導かれて、まなはご近所の冒険をはじめます。
まあおおまかに言えばこんな内容ですね。
物語は決して壮大な広がりを見せず、あくまでご近所単位で進行します。
ありえないアットホームさ加減。
そもそもお子ちゃまを導く回覧板なんてアイデアはどこから生まれてきたんでしょうか。
人見知りなまなちゃんが回覧板のおかげで仲間と出会い、友情を育んで成長していく様子、
これを読んだ時分、私も自分に回覧板が回ってこないものかと、玄関先に座り込んだものです。
もっとも最近の回覧板はファイルに入って回ってくるんですけどね。(笑
さっきも紹介したとおり、とても個性的なキャラクター達が活躍するお話です。
まなの飼い猫のゆず。(須藤先生の飼い猫でもありますね)
町内会長のパパリンを持つ泣き虫のシクシクくん。
君はいったいドコの武術を学んどるのだね?という疑問を抱かずにはいられないやわらちゃん。
幼稚園児離れした頭脳をもつドクター。
筋金入りお嬢様キャラのななこちゃんなど、わけのわかんない人物だらけです。
私は彼らがこのさき社会に出て、どんな活躍をするのか知りたい。
主要な登場人物は彼らですが、他にも理解不能の個性を持つキャラクターで溢れております。
なぜか公園でホームレスのような暮らしをするバイオリニストのおじちゃんとか。(笑
さて、ごきんじょ、それは小さな子供にとっては無限にも思えるほど広い空間であります。
私たちが子供の頃、家の裏山を越えて向こう側の公園に行くことすらびくびくして、
たったそれだけで己のわずかな冒険心を満足させていたものです。
実際不思議ですよね、たかが丘ひとつ越えるだけであんなに興奮するものか。
今ではたいしたことのない話ですが、ちっちゃかったあの頃はそうでした。
自転車置き場の屋根すら高くて高くて、そこに登ったヤツがヒーローで、
家の目の前にある国道を渡って砂浜で遊ぶことをなぜしなかったのか?謎です。
『ごきんじょ冒険隊』を読んでいると、そんな昔のノスタルジーが蘇ってきます。
たかが歩いて三十分のごきんじょ探検にすらどきどきするまな達は、
私達が大人になる過程で忘れてしまった純粋な何かを忘れずに持っているのですね。
誌面の都合で登場できなかった可哀想なロレンス君とか、漫画で見たかったなあ・・・。
でも彼、ゲームでも印象薄かったからなあ・・・。
私の持っている須藤真澄さんの作品
「ごきんじょ冒険隊」 「てぬの細道」 「天国島より」
「じーばーそだち」 「ふりそでいちま」 「ナナカド町綺譚」
「アクアリウム」 「ゆずとまま」 「どんぐりがくえん」
「おさんぽ大王」 「長い長いさんぽ」
ついでに