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地獄使い [小説紹介]

 最近ちーっと、小説に比重が偏っている気がしますが・・・。
 私、正直活字の方が好きなんで、お許しください。
 さて、夏と言えばずばり怪談!
 百物語や肝試しなど、イベントはもりだくさんですね。
 そんな中に一つ、ちょっと怖いお話を混ぜてみませんか?
 今日ご紹介するのは麻樹ゆうさんの作品、「地獄使い」です。
 

地獄使い〈1 封印編〉

地獄使い〈1 封印編〉

  • 作者: 麻城 ゆう
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1991/12
  • メディア: 文庫


 中学生の栖軽桃子は、家に帰りたくなくて転校先の見知らぬ土地をうろついていた。
 そんな中彼女はスキンヘッドの美形青年と巡り会う。
 彼は「閻羅王配下、衣領樹の鬼、懸衣翁」と名乗り、薬師寺へ自分をつれていくよう願う。
 薬師寺に彼をつれていった桃子は、薬師寺を満たすスカーレットの光を目にする。
 翌日、彼女は自分の髪が輝く緋色になっていることに気づく、
 しかたがなく向かった学校で、案の定担任につかまるが、
 彼女の髪の毛にふれた担任教師の手には三つ編みの焼け跡ができた。
 教師は地獄から舞い戻った「亡者」、桃子は亡者を狩る「鬼」だったのだ。
 東京を亡者の王国にしようとする「何者か」と「懸衣翁」との闘い、
 そして桃子の「鬼」としての不思議な生活は始まるのだった。
 
 
 
 「閻羅王」とは「閻魔大王」のことです。
 閻魔大王とは地獄の支配者、死者を裁き、鬼を統べる存在です。
 「鬼」とは地獄を管理したり、現世に逃げ出した「亡者」を退治する存在です。
 「亡者」とは地獄(三途の川)から現世に逃げ出した存在です。
 もちろん息もしませんし、食事もしません。代謝が止まっている、死んでいる状態です。
 そんな彼らが、ハレー彗星の接近とともに大量発生してしまったというわけです。
 彼らが存在するということ自体が、世界の均衡に影響します。
 さらに鬼の肝を喰らって神通力を得た「亡鬼」という連中もいます。
 彼らが、東京を亡者の住みやすい都市にしようと、生者を亡者に変えようと企むわけです。
 それを阻止するために作られたのが「人鬼」、栖軽桃子は人鬼です。
 しかも鬼以上の力を持つ可能性のある人鬼です。
 桃子は交通事故にあって死にかけ、そのときに人鬼になりました。
 父親は即死でしたが、母親は本来桃子のためだった現世への帰り道を奪ってしまいます。
 そして奪衣婆(閻羅王の側近で懸衣翁の妻)の肝を喰い、強力な亡鬼となりました。
 

 私は、カトリックです。
 であるからして、死後の世界がこんな仏教ナイズドな世界だとは信じていません。
 しかしこの作品は非常に考えさせられるものでもあります。
 人間を殺して自分達の仲間にしようとする亡者たちの言い分にはこんなものがあります。
 『死ではなく、永遠の生である』
 確かに亡者たちは永遠に存在し続けるものでしょう、しかしそれは「生きている」ことでしょうか?
 『生きているってこと、証明できなければ、死んでいるのと同じなのかな?』
 これはFFⅨの登場人物、ビビのセリフです。
 
 存在していることが、生きていることなのでしょうか?
 永遠に続く時間、彼らに生き甲斐はあるのでしょうか。
 我々は短い人生のなかで、何かをつかもう、経験しよう、残そうと必死で生きています。
 永遠に存在する亡者にとって、それらは意味のないことです。
 では何故、存在するのでしょうか。
 
 
 不老不死にあこがれたことは、ありますか?
 いつか必ず自分に訪れる死に、恐怖したことはありますか?
 私は、「死」は怖いです。
 しかしそれは未知なるモノへの恐怖です。
 「死」の後に何があるのか、それに対して恐怖するのです。
 つまり決して「死」そのものへの恐怖ではありません。
 永遠に生き続けたいですか?この世の中に存在し続けることに価値はありますか?
 自分が消滅するまえに、確かに存在した証拠を残すために、人は生きるのでしょう。
 きっと亡者達にもいつかわかるはずです、生き続けることのむなしさが。
 私は「死」を恐れない、私たちは「死」に向かって歩み続ける存在なのですから。
 それはゴールです。
 「死」の一歩手前に、完成した自分が、悔いのない自分が、それを目指して生きていきたいです。
 
 
 なんかまた偉そうで、しかも大したコト言ってなくて、ごめんなさい・・・(汗)。
 蛇足ですが、私が一番嫌いなのは、「退屈」と「寂しい」です(笑)。
 
 
 
 
 
 
 

 
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